2018-07-03から1日間の記事一覧

松浦理英子『奇貨』

「だがそれ以上に、ホテルの一室で一人ぼっちになり、金も情熱もなく、自分自身のなかに追いやられ、自分の惨めな想いにふけるのが嫌だった。(…)それに、日の暮れがたになると、ちょうど魂の飢えのように、なにかがふたたびぼくの心のなかで空虚になるあのホ…